社会起業家おすすめの本12選!ロールモデルや事業運営のヒント、社会問題、ビジネスのあり方を学びたい人へ
社会問題をビジネスで解決する社会起業家。事業を成長させ、多くの人と力を合わせてビジョンを実現していく起業家は、常に自己改革をし続けることが重要です。
起業家の成長にかかせないのが読書。様々なビジネスモデルや先輩起業家の生き方などに触れることは、自分の視座を高めることにつながります。
そこで、今回は現役社会起業家が推薦する「社会起業家におすすめの本」をご紹介します。
1.ロールモデルから学ぶ
天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い|中村哲
「百の診療所より一本の用水路を」と唱え、アフガニスタンで用水路の建設を行った中村哲氏の著書。30年にわたり現地で活動を続けてきた中村氏の半生がつづられています。
【社会起業家のコメント】
「困っている人がいたら手を差し伸べる――それは普通のことです。」元々は医師でありながら、アフガニスタンで病気/難民化の原因となる旱魃を解決するべく、用水路の建設に人生を捧げた中村哲氏。常に現場に身を置き、当事者たちの課題に真摯に向き合う。自分の専門性がない分野でも、学びながら形にする。一言一句が心に刺さる、社会活動家のあるべき姿が学べる一冊。(ピープルポート株式会社代表・青山明弘)
エレガント・シンプリシティ 「簡素」に美しく生きる|サティシュ・クマール
イギリスのエコロジカル雑誌「リサージェンス&エコロジスト」の編集主幹となった先駆的エコロジスト、サティシュ・クマールが「簡素」に生きることの素晴らしさを説いています。
【社会起業家のコメント】
大学生の頃、本屋でいつも『自己啓発』コーナーに行っていたのを思い出した。学生の頃読んでいたのは、生き方、考え方の本がほとんどだった。その頃を思い出すほどに、いい言葉が並ぶ本。辻 信一 さんが再編集しながら翻訳された『エレガント・シンプリシティ』大人になった今こそ読みたい生き方の本。(株式会社ボーダレス・ジャパン代表・田口一成)
優れた起業家は何を考えどう行動したか|堀新一郎、琴坂将広、井上大智
有名スタートアップ企業のゼロから事業を作り出すノウハウがつまった一冊。17人の起業家たちへの直接インタビューから作成した26のケーススタディが収録された「次世代起業家のためのバイブル」と言われています。
【社会起業家のコメント】
課題にぶつかった時、持っている手札の多さがその人や組織を助けます。 「アイディアよりも戦略よりも、重要なのはやり切る力である。」など、起業家のプランニングから現在に至るまでを追体験しながら、立ち上げに必要な要素を大量に学べる本です。 先人たちが残した知見と実践の轍を、自分の事業や将来の夢にどう活かすのか考えながら読み進めるのがお勧めです。(Relight株式会社代表・市川加奈)
2.事業運営のヒントを得る
・笑える革命―笑えない「社会課題」の見え方が、ぐるりと変わるプロジェクト全解説|小国士朗
『プロフェッショナル 仕事の流儀』『クローズアップ現代』などのドキュメンタリー番組を中心に制作した元NHKディレクターであり、認知症の人がホールスタッフを務める「注文をまちがえる料理店」を手がける小国士朗氏の著書。
【社会起業家のコメント】
ソーシャルアクションを軽やかにつくっていく、小国さん。ただただ愚直に真正面からぶつかっていく自分が北風だとすれば、小国さんはまさに太陽のような人。小国流の企画づくりノウハウや考え方がふんだんに詰まった良書。みんなが参加したくなる企画づくりに、多くの人を巻き込むソーシャルアクションを考える時に読み返したくなる本。(株式会社ボーダレス・ジャパン代表・田口一成)
・奇跡の集落: 廃村寸前「限界集落」からの再生|多田朋孔
限界集落を脱却した実話と再生のノウハウがまとめられています。地方再生に関心がある人におすすめの一冊。
【社会起業家のコメント】
新潟県十日町市にある「廃村目前」の集落が、元々の住民と新しい移住者を混ぜ込んで再生、自立していくプロセスと秘訣が書かれています。実例や地域住民の感情などをもとに、地方自治とは何かということや、なぜ多くの地域での地方創生がうまくいかないのかなどを深く理解するヒントが詰まっています。これから地域に入っていきたい方にもおすすめの一冊。(きら星株式会社代表・伊藤 綾)
社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア経営のすべて|イヴォン・シュイナード
世界的に有名なアウトドアブランドであり、地球環境問題に対する取り組みで知られるパタゴニアの経営について書かれた一冊。
【社会起業家のコメント】
「株主は地球だ」企業が100年後も存続するためには地球環境が最も重要な因子になる。地球環境を守りながら、利益をあげ社員がわくわくする会社をつくる。経営の在り方を根本から見つめ直すきっかけになります。(株式会社ボーダレス・ジャパン代表・田口一成)
3.社会や社会問題の知識を深めたい人へ
未来を創造する物語|シリル・ディオン
環境活動家シリル・ディオンが現実を取り巻く社会の「構造」を分析し、協力し合う集団を生み出す具体的な方法と、意識を他者へと向ける大切さを語った一冊。
【社会起業家のコメント】
循環型社会を目指す「ハチドリ運動」の立ち上げに参加し、映画『TOMORROW パーマネントライフを探して』で世界的な脚光を浴びた著者。「 一人ひとりから世界が変わる」ことを改めて教えてくれる一冊です。(株式会社ボーダレス・ジャパン代表・田口一成)
ケーキの切れない非行少年たち|宮口幸治
非行少年たちと出会う中で「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づいた児童精神科医の著者による、人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々が学校・社会生活で困らないように導く実践的なメソッドがつまった一冊。
【社会起業家のコメント】
本書は非行を行う青年の背景には認知機能の低さが関わっていることを説明した本です。問題の表面上だけを見るのでなく、その裏にある構造的な問題を考えるのにいい一冊です。人誰しもが同じではない、という観点から、多様性や社会構造、マネジメントについて考えたい方にも、おすすめできます。(ワオフル株式会社代表・辻田寛明
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DRAWDOWNドローダウン― 地球温暖化を逆転させる100の方法|ポール・ホーケン
地球温暖化を「逆転」させる具体的な方法を示した世界が注目する一冊。190人の研究者、専門家、科学者の国際的なグループが結集して、気候変動に対する現実的かつ大胆な解決策がまとめられています。
【社会起業家のコメント】
IPCCの発表はわたしたちにもう環境問題に「迷う暇も、悩んでいる暇もない」今日から取り組む必要性を教えてくれました。私たちが力を合わせてできること、個人として一人ひとりが果たす役割を知りたいと思う人が、わかりやすく解決策を理解する一冊。また発展の途上であり改訂されているものである本調査がまとめてあります。(ローカルフードサイクリング株式会社代表・たいら由以子)
4.次のビジネスのあり方を知りたい人へ
地球の法則と選ぶべき未来|ドネラ・H・メドウズ
ドネラ・H・メドウズ氏が生前に遺した、現在を生きる人たちへの貴重なメッセージがまとめられています。
【社会起業家のコメント】
「世界がもし100人の村だったら」の原案者による『成長の限界』の真意を伝える一冊。「永久に続く経済成長」への幻想を捨て「足るを知る」地球の掟を選択する方が人間の未来にとっては重要だと教えてくれます。(株式会社ボーダレス・ジャパン代表・田口一成)
ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~|影山知明
クルミドコーヒー店主の影山 知明氏の著書。資本主義のシステムでは評価されないお金以外の価値交換を可視化する実践が書かれた一冊。
【社会起業家のコメント】
食べログ全国一位にもなったカフェ「クルミドコーヒー」の裏側にある思想。資本主義の仕組みの中で「生きづらさ」を感じている人、効率の追求に疑問を持つ人に読んでほしい一冊。(株式会社ボーダレス・ジャパン代表・田口一成)
9割の社会問題はビジネスで解決できる
世界16か国49事業を展開するボーダレス・ジャパンのソーシャルビジネスのやり方やノウハウがつまった一冊。手に取った人がすぐに実践できるように、社会問題解決を起点にしたビジネスのつくり方が説かれています。ボーダレスの社員もあまり知らない創業期のエピソードも掲載。本を片手にソーシャルビジネスのビジネスモデルをつくりたくなる本です。
著者:株式会社ボーダレス・ジャパン代表・田口一成
1980年生まれ、福岡県出身。早稲田大学在学中に米国ワシントン大学へビジネス留学。卒業後、㈱ミスミ(現・ミスミグループ本社)を経て、25歳で独立し、ボーダレス・ジャパンを創業。日経ビジネス「世界を動かす日本人50」、Forbes JAPAN「日本のインパクト・アントレプレナー35」、Newsweek「世界に貢献する日本人30」に選出。
5.起業家がおすすめする本を読みたいと思ったら
ボーダレスの本棚では、現役社会起業家がおすすめする本を紹介しています。
・社会問題に関心がある人
・社会のために何かしたいと思っている人
にとって次の行動のきっかけとなる本との出会いがあると嬉しいです。
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